鍼灸治療の実際

初めてのお灸。ちょっと緊張気味です。

 背部の圧鍼です。ツボへの刺激が響きます。

 ココちゃん。1歳半です。
若く元気いっぱいのココちゃんですが、ちょっぴり冷え性。寒さが苦手で冬は風邪をひきがちに・・・。

 鍼灸は、寒気で凝り固まった気の流れをスムーズにし体を温めてくれます。

<使用する主な鍼と灸>


 施術に使用する鍼です。
全て単回使用(使い捨て)です。
太さは直径0.14〜0.16mmほどで、髪の毛と同じかそれより細いくらいです。
(※ワクチンなどに使用する注射針よりずっと細いです。)

 上段から
◎圧鍼器
◎ダイオード鍼
・・・「刺さない」鍼です。ツボに当てて使用します。
  やさしい刺激です。

 下段は、お灸に使用する「艾(もぐさ)」です。
適度なサイズに捻って使用します。台座のついたタイプもあります。

◎棒灸
・・・自宅で手軽に出来るお灸です。
背部〜腰やお腹に当てて使用します。
温めることで血流を良くし回復力を高めます。

 鍼をうってもらうと気分が良くなることを知っています。普段は暴れん坊なのですが、この時は静かに受け入れてくれます。

 お灸も慣れています。治療すると、硬く緊張していた脈が、柔らかく穏やかになりました。
 
 シカオ君。6歳です。
短気で怒りっぽい性格なため、頭に血がのぼり→気の流れが悪くなり→胃腸の動きが悪くなり→腹痛・食滞を良くおこします。

 鍼灸はたまったストレスを離散させ、気分をよくして病気の予防になります。

<施術のようす>
1.脉診

 症状をお聞きしながら、脈を診ます。
脈の強弱、位置、形状などから患者さんの状態を見極めます。脈は体内のエネルギー状態を表しています。

  施術の途中でも何度か脉診し、反応を見ながら進めていきます。内股にある血管で脈を診ます。
2.眼診   舌診  

 眼や舌の様子から体質や病状を探ります。
ほかにも被毛や皮膚の状態、姿勢、声、臭いなどから総合的に診断していきます。

3.切診  〜推拿 




 体表を触診します。緊張度や痛みの有無、反応の仕方やその部位により、臓腑の異常をとらえていきます。


 同時に推拿(指圧やマッサージの原点となる手技)療法により、体をほぐし、緊張を解いていきます。
4.鍼法

 気の流れを整える最初の一鍼めを「大椎」というツボにうっています。わずか一鍼でも脉状が大きく変わります。
5.鍼法  (圧鍼)

 背中には「督脈」という経絡があり、臓腑の調整に深く関係しています。肺・心・肝・脾・腎など諸臓器に通じるツボが並びます。それぞれを刺激し臓腑の機能を高めます。
 圧鍼(刺さない鍼)を使用しています。
6.灸法  


 お灸には体を温め自己免疫力を活性化する作用や、気血の巡りを良くして痛みを和らげる効果があります。捻った艾はよい香りがして、気持ちが落ち着きます。
 施灸できない時は「神火鍼」という方法もあります。
7.鍼法

 体が温まりリラックスしてきたら、個々の症状に応じたツボを取穴。思いを託して一鍼ずつ、丁寧にうっていきます。
 
 この「陽陵泉」は筋・神経などの運動器官のほか、精神バランスを整えてくれる主要ツボのひとつです。
8.推拿

 施術の最後に、全身を経絡に沿って推拿療法。心身のバランスを整えて終了です。


 モデルはグレちゃん。13歳です。
1年前に「重症筋無力症」と「食道拡張症」を患い、今現在も加療中です。一時は全身がこわばり、寝たきりの状態が続きましたが、鍼灸治療を取り入れることで見事回復。その後、定期的な鍼灸と漢方治療を継続。繰り返す嘔吐や頻繁に起きていた虚脱性発作もなくなり、元気な日々を過ごしています。