当院では、治療において、インフォームド・コンセント(説明と合意)の徹底を心がけています。ある病気に対しての治療はひとつとは限りません。治療方針は動物の状態のみならず、取り巻く環境や、飼い主さんの状況によっても変わってきます。

 また、一般診療ではエビデンス(根拠や証拠データ)に基ずく西洋医学治療を基本としています。必要性を感じた時には合わせて東洋医学治療をおすすめさせていただくことがあります。

 治療に際し何かご希望があればお話しください。治療方針をご提案させていただきますが、最終的に選択・決定いただくのは飼い主様ご自身です。

★西洋医学=体の悪い部分に直接アプローチし、注射や内服、手術といった方法で原因を取り除いて治していく医学。先進国では主流となっている。治る病気であれば、短い時間で病気を治療できるという良さがある。

★東洋医学=鍼灸・漢方・推拿などに代表される伝統医学。体力や体質など総合的に診て体の不調を根本的に直していく治療法。時間のかかることもあるが体に負担がかかりにくい。

 


★手術

全身麻酔下で行う手術はすべて「完全予約制」となります。

※整形外科疾患、大型犬の手術、当院でお受けできない手術の場合は、提携病院、大学病院、専門医をご紹介させていただきます。

★麻酔

 麻酔は、不動化と無痛が必須の、手術を行う上で欠かせないものですが、同時に、心拍数・体温の低下、呼吸数の減少など心肺機能をはじめ、正常な生体機能を大きく抑制してしまいます。また、覚醒(麻酔から覚めること)には肝臓・腎臓などの代謝・排泄器官が正常に機能していることが求められます。身体に何か大きな異常があると、麻酔が命取りになってしまうこともあります。健康な動物であっても、手術は体にとって、一時的とはいえ大きなストレスとなります。術後に免疫バランスが崩れて風邪をひいてしまったり、隠れていた病気があらわになったり、持病が悪化したりすることもあります。

 そうしたリスクを少しでも軽減するために、当院では手術に際し、次のような対応をさせていただいています。

●すべての手術において、術前検査をさせていただきます。

 血液検査により、貧血・脱水の有無や肝臓・腎臓など内臓機能の異常がないか調べます。年齢や病態によってはレントゲン検査や超音波検査が必要になることもあります。

●すべての手術において、適切な点滴処置を行います。

 多くの手術(麻酔)時には血圧が下がります。そのため、相対的循環血液量が減少しショックや臓器障害を引き起こしやすくなります。これを防止するために術前~術後に点滴を行います。

●すべての手術において、適切な鎮痛処置を行います。

 痛みは免疫機能を低下させ治癒を遅延させます。何より苦痛を伴います。動物は痛みに強い、と思われていますが、痛みに気付かれにくいのも事実です。

●すべての手術において、気管チューブを挿管します。

 手術中に過呼吸や呼吸数の低下などが起こると、酸素の供給量が減り(酸欠)、麻酔の不安定状態~臓器障害を引き起こすことがあります。これを防止し、すぐに人工呼吸に切り替えられるよう気管チューブを使用します。

また、次のことにご協力ください。

●適切なワクチン接種と寄生虫予防

 手術に際し入院が必要となります。病院という環境上、様々な動物たちが来院します。手術や麻酔により免疫が低下すると感染症罹患のリスクも高まります。お預かりした動物たちは完全隔離にて、それぞれが接触しないよう管理させていただいておりますが、それでも空気感染・飛沫感染などは避けられないことがあります。入院中に病気をもらってしまうことのないよう、事前(1年以内)に混合ワクチン接種を済ませていることが望ましいです (※避妊・去勢手術、歯石除去処置では必須)。

★去勢・避妊手術について

 去勢・避妊手術には、望まない繁殖を防止するだけでなく、問題行動の改善、早期の手術であれば病気の予防効果が期待できます。問題行動や病気の予防を考えると、早め(生後1年未満)のほうがよいでしょう。男の子(去勢手術)は精巣を、女の子(避妊手術)は卵巣や子宮を摘出します。

  去勢手術
利点 ・精巣腫瘍、前立腺肥大、会陰ヘルニア、肛門周囲腺腫など、男性ホルモンの影響で起こる病気を予防できる
・マウンティングや不適切な尿マーキング(猫ちゃんなら尿スプレー)の軽減
・縄張り意識や性的ストレスによる攻撃性の軽減
(※効果には個体差があります)
欠点 ・太りやすくなることがあります(食事で管理できます)
・麻酔のリスク
  避妊手術
利点 ・卵巣・子宮疾患、乳腺腫瘍の予防(※乳腺腫瘍の予防効果は100%ではありませんが、早期手術であれば高い確率で期待できます)
・発情期の煩わしさがなくなる
欠点 ・太りやすくなることがあります(食事で管理できます)
・麻酔のリスク
・犬ではホルモン性尿失禁が見られることがあります

◎手術は生後6か月くらいから可能です。事前にワクチン接種を完了していることが必要条件です。

◎全身麻酔下での手術になりますので完全予約制です。

◎入院期間は原則:犬猫去勢手術と猫避妊手術は半日(朝入院→当日夕方退院)、犬避妊手術は1日(朝入院→翌朝退院)となります。その後10~14日後に抜糸となります(※猫去勢は抜糸なし)。

手術当日は朝食を抜いてお連れ下さい。胃内に食物が残っていますと、麻酔時に誤嚥し危険な状態になってしまうことがあるためです。

◎迷子予防に、未装着の子はマイクロチップの埋込処置も同時にお勧め致します。

※女の子の場合、発情期は避けてください。

※当院設備の関係上、手術をお受けできるのは体重2kg~20㎏までの子となります。