鍼灸治療の実際

使用する主な鍼と灸

 施術に使用する鍼です。全て単回使用(使い捨て)です。太さは直径0.14~0.16㎜ほどで、髪の毛と同じかそれより細いくらいです。(※注射針よりずっと細いです!)

 上段から・・・

◎圧鍼器

◎ダイオード鍼(「刺さない」鍼です。ツボに当てて使用します。やさしい刺激です。

◎お灸に使用する艾(もぐさ)と台座灸

◎棒灸

自宅で手軽に出来るお灸です。背部~腰や、お腹に当てて使用します。温めることで血流を良くし回復力を高めます。

施術の様子

 症状をお聞きしながら脉(脈)を診ます。脈のの強弱、位置、形状などから状態を見極めます。脈は体内のエネルギー状態を表しています。

 施術の途中でも何度か脉診し、反応を見ながら進めていきます。内股にある血管で脈を診ます。

 

 

 眼や舌の様子から体質や病状を探ります。ほかにも被毛や皮膚の状態、姿勢、声、臭いなどから総合的に診断していきます。

 体表を触診します。緊張度や痛みの有無、反応の仕方やその部位により、臓腑の異常をとらえていきます。

 同時に推拿(指圧やマッサージの原点となる手技)療法により、体をほぐし、緊張を解いていきます。

 

 気の流れを整える最初の一鍼めを「大椎」というツボにうっています。わずか一鍼でも脉状が大きく変わります。

 背中には重要な経絡が並び、臓腑の調整に深く関係しています。肺・心・肝・脾・腎など諸臓器に通じるツボがあります。それぞれを刺激し、臓腑の機能を高めます。
 圧鍼(刺さない鍼)を使用しています。

 

 お灸には体を温め自己免疫力を活性化する作用や、気血の巡りを良くして痛みを和らげる効果があります。捻った艾(もぐさ)は良い香りがして気持ちが落ち着きます。

 施灸できない時は「神火鍼」という方法もあります。

 体が温まりリラックスしてきたら、個々の症状に応じたツボを取穴。思いを託して一鍼ずつ、丁寧にうっていきます。この「陽陵泉」は筋・神経などの運動器官のほか、精神バランスを整えてくれる主要ツボの一つです。

 施術の最後に、全身を経絡に沿って推拿療法。心身のバランスを整えて終了です。

 モデルはグレタちゃん。13歳のラフ・コリーです。「重症筋無力症」と「食道拡張症」を患い加療中です。一時は全身がこわばり、寝たきりの状態が続きましたが、鍼灸治療を取り入れることで見事回復。その後も定期的に鍼灸・漢方治療を継続しています。繰り返す嘔吐や虚脱性発作もなくなり元気な日々を過ごしています。

 

初めてのお灸。ちょっと緊張気味です。腰へのお灸は滋養強壮効果も期待できます。

 背部への圧鍼です。ツボへの刺激が響きます。

 ココちゃん。1歳半です。若く元気いっぱいですが、ちょっぴり冷え性。寒さが苦手で冬は風邪をひきがちに・・・。鍼灸は、寒気で凝り固まった気の流れをスムーズにし体を温めてくれます。

 

 鍼をうってもらうと気分が良くなることを知っています。普段は暴れん坊なのですが、この時は静かに受け入れてくれます。

 お灸も慣れています。治療すると、硬く緊張していた脉が柔らかく穏やかになりました。

 シカオ君。6歳です。短気で怒りっぽい性格なため、頭に血が上り→気の流れが悪くなり→胃腸の動きが悪くなり→腹痛・食滞をよくおこします。鍼灸は、たまったストレスを離散させ、気分を良くして病気の予防になります。