この世に生まれ、ともに暮らすようになった可愛い命たち。寿命を迎えるまで、元気に長生きしてほしいですね。私たち人間とは全く世界の異なる動物たちが人間社会にうまく適応して、ストレスなく体も心も元気に暮らしていくために、是非押さえておきたいポイントをご紹介します。
★予防・健康管理
ワンちゃんや猫ちゃんも、人と同じように病気になることがあります。でも、予防できる病気もあります。動物特有の感染症対策、日頃のケアなど、ご紹介いたします。
★食事管理
年齢と体質に合わせた適切な食事を選ぶことが大切です。日々の食事には「総合栄養食」を中心にメニューを考えるとバランスがとりやすくなります。皮膚病や尿石症などの体質トラブルや腎臓病などの慢性疾患には療法食もあります。ご相談ください。
★Let's社会化!
人間社会で生きていくためには、人と仲良くなり、ストレスなく人間社会になじめることが必要です。これを「社会化」といいます。社会化に適した時期を「社会化期」といいますが、ワンちゃんで生後3~14週齢。猫ちゃんでは生後2~9週齢といわれます。この時期に犬(猫)同士(親・兄弟)、人を含む他動物との適切な接点を持たないと、生涯にわたってコミュニケーションが苦手な子になってしまうといわれています。たとえば、恐怖心が強かったり、攻撃的な子になってしまいます(本人は緊張と不安でいっぱいです)。うまく社会化してもらうためには・・・
(※社会化期の注意点)
★生後2か月までは親兄弟と一緒に過ごさせましょう。
遊びながら、力(チカラ)のかけ具合や咬み加減を学習していきます。
★お家に迎えたら、毎日、優しくなでたり抱いたりして人の手に慣れさせましょう。
人に触られる心地良さや安心感を体で覚えてもらいましょう。
★さらに一人より多くの人に触られたほうが社交的になりやすいといわれています。
ワンちゃん・猫ちゃんが人間に対してフレンドリーになれるかどうかは、個々の生まれつきの性格と、幼少期の過ごし方で決まると言われています。また、乱暴な扱いを受けると、トラウマとなって長く記憶に残ってしまい、人間嫌いになってしまうことがあります(※とくに猫ちゃんは注意)。
幼少期からこうした対応をしてあげることが望ましいですが、うまく出来なかった…という場合は、あきらめず少しずつ慣らしてあげてください。その際は怖い思いをさせないように気をつけてください。
★より良い毎日を!
年を重ねるに従い、今までになかった日常の手当てやケアが必要になることが多くなります。たとえば、加齢にともなう変化(代謝や免疫の低下)で皮膚病や外耳炎にり患しやすくなったり、歯周病が重症化しやすくなり、
①シャンプーや手入れ
②歯みがき
の重要性が高まります。また、病を患い、
③薬を飲ませる
④検査や治療のための通院・入院
が必要になることがあります。
年をとって初めて慣れない事をする、というのは大変です。なにより、具合の悪い動物達にとって大きなストレスになってしまいます。大切なことは、元気なうちから体に良く触れ、少しずつ慣れさせておくことです。
トリミングや定期的なお手入れなどにショップや病院に連れていくことはとても良い社会勉強になります。
来客時、お散歩の時などによその人と触れ合い、慣れておくことも大切です。
歯みがき、薬を飲ませる、といった行為も、口を触ったり開けたり、普段から習慣化しておくとよいでしょう。
お薬が飲ませられるかどうかは、その子の生涯を大きく左右してしまうこともあります。
いざ、病気になったとき、治療(注射や入院・検査、鍼灸などの処置)や投薬ができるかどうかで予後が大きく変わってしまいます。とくに繊細で神経質なネコちゃんの場合は、来院の緊張や興奮などのストレスで余計に体調を崩してしまうことがあります。普段元気な時から、人に触られることに慣れてもらう社会化訓練はとても大切です。
また、ワンちゃんはケージの中でおとなしく待てる練習もしておきましょう。外出時や、よそに預ける際、災害時などには必要な訓練です。
子犬・子猫のうちから出来ると理想的ですね。あせらず、少しずつ、じっくり取り組んでみてください。